胆道閉鎖症と共に

胆道閉鎖症と共に生きる息子と家族の日々。

葛西手術

予防接種を受け、そのままの足でT病院に受診。

採血を行うと、その時点ですでに肝機能が高かったためそのまま入院する事になった。

その後、エコーやCTを行った後小児外科の医者から両親の両親まで呼んでほしいとの依頼があった。

夫の母は遠方ですぐに来るのは難しい為ひとまず私の母にだけ来てもらって、3人で話を聞くことに。

 

胆道閉鎖症の疑いが拭い切れないが新生児肝炎の可能性もあり。

確定診断を下すためには開腹して、胆道造影をやらなければならない。

もし最終的な診断が胆道閉鎖症ならそのまま葛西手術という手術に切り替えるとのこと。

胆道閉鎖症は1950年代に葛西手術と言う手術が確立されるまでは治療法がなかった病気で、発見されても救うことが出来なかった。

今は治療の第一選択としてこの葛西手術が主流となっている。

だけど術後も胆管炎を起こす可能性は十分にあり、葛西手術だけで自分の肝臓で生存してる人はおよそ半分いるかいないか。

あとの半分は、肝移植をしているとのこと。

ただ、遺体ドナーはほぼ期待できずほとんどが生体肝移植の選択肢である。

移植になった場合、患者の両親と祖父母しかドナーになれずドナーになる為の条件もありその説明と準備もあるということで今回祖父母まで呼んで欲しいと言ったとの事だった。

 

 

病気については便の異変に気付いた時からかなり調べていたし、かなり気にはしていた。

でも調べながらも、まさか自分の子が10000人に1人なんて発症率の病気を疑わなければならない状況になるなんて...と言うのが率直だった。

 

開腹しないと確定は出来ないけど、精査した限り胆嚢のサイズも小さく萎縮が見られるということで、胆道閉鎖症の典型的な初見らしい。

 

 

先生の話しを終えて、病室で夫と話した。

この段階ではあくまで疑いは疑いだし、新生児肝炎だったらいいのに..と言う気持ちはあるけどお互い胆道閉鎖症の可能性が高いんだろうなと言う気持ちだった。

 

夫は自分の母親に連絡をし、医師から説明された事を伝え職場に事情を話ししばらく有給を取った。

 

明日の造影検査の結果を待つだけ。

 

目の前でニコニコと機嫌の良いみーくんを見るとやりきれない思いでいっぱいだけど、でももし胆道閉鎖症だとしたら手遅れになれば死んでしまう病気なだけに手遅れになる前に見つかって良かったっていう安堵もある。

複雑だけど、ただ祈るだけ...そんな気持ちの入院初日。

 

 

翌日、朝の9時に手術室に入ったみーくん。

お昼前頃に担当医の先生が病室にやって来た。

胆道造影の結果、胆道閉鎖症の確定診断が下り現在葛西手術に切り替えてオペを進めている事を担当医から告げられた。

 

覚悟をしていたからか告げられた時は、思っていたよりも冷静だった。

だけど悲観な気持ちがないわけじゃない。

ただ、少し前までは病気が分かっても救えなかっただけに手遅れになる前に分かって対処できて良かったという気持ちもあり複雑な心境だった。

 

担当医から告げられた後、しばらくは私も夫も黙ったままだった。時間にすれば、ほんの数分だったと思うけどすごく長く感じた。

ひとまず、お互いそれぞれの親に連絡をし胆道閉鎖症と確定し現在治療の為の手術をしていることを伝えた。

 

 

それからみーくんが戻って来たのは15時頃だった。

戻って来た時は、麻酔がまだ効いていてボーっとしつつも時々泣き出してはすぐまたウトウトするの繰り返しだった。