胆道閉鎖症と共に

胆道閉鎖症と共に生きる息子と家族の日々。

移植について

退院はしたものの、ビリルビンが完全に下がったわけではなくて外来で経過を見れそうなレベルまで下がっただけのみーくん。

そして、短期間で胆管炎を繰り返してることもあり移植について話しを聞きに行ってもらった方が良いとの事で1月6日にH大に受診する事に。

候補者全員揃わないと話が出来ないということでドナー対象者である私と夫、私達の母。義母には飛行機に乗って遠方から来てもらう事となった。

 

 

初めての年越しを家族で、お家で過ごせた。大晦日当日が退院ということもありおせちを用意する時間もなく、夫の実家からは大人用のおせちを頂き私の実母はみーくん用の離乳食のおせちを作ってくれた。三段重ぎっしりに詰まった料理。普段から離乳食を月齢の2.3倍は食べるみーくん。ペロリと平らげた写真を実母に送るととても喜んでいたがそんなに食べて大丈夫なのかと心配が先立っていた。

 

義母に無理を言って急遽前日から飛んできてもらって翌日受診する予定だった。

だけど、4日の夜中まさかのみーくん発熱。義母に一声かけてT病院に連れて行くと結果インフルエンザA型。即入院となった。

いつものお部屋(シャワー付きの個室)空いてなくてごめんねと普通のトイレ付きの個室に通された。

 

翌朝、夫と義母が病院に来た。

みーくんは、大好きな病棟保育士さんと今日の受け持ち看護師に交代で見てもらってH大に向かった。H大から近所に住む実母はタクシーで来て合流。

 

いよいよ、移植についての説明が始まった。

最初に移植外科の先生から問診。

ある程度問診に答えた後移植外科のトップの医師が来て、問診してくれてた先生達は一旦離席。目の前にはコーディネーターさんと先生。

最初に率直な親の気持ちを聞かれた。

 

夫が、なれるなら自分がドナーにという気持ちがあるうえで体重の事と自分はAB型でみーくんはA型という血液型問題について質問をした。

 

AB型のレシピエントはどの血液型からも輸血や移植を受けられる一方でO型のドナーはどの血液型にも提供出来るがレシピエントとなった際にはO型からしか受けられないと言う血液型不適合問題。

夫はAとB両方の抗体を持っている為A型のみーくんにとっては不適合となるが医師からの返答は、1歳くらいから異型に対する抗体が出来てくるからAB型の夫がドナーになるなら1歳を迎える3月が目安。

そして移植をする方針とした場合、術後のことを考えると肝機能がある程度悪化していて、かつ本人が元気であることが望ましい。なぜなら、先延ばしにしすぎて黄疸が強かったり意識障害が起こるほどまで落ちてしまうと術後の回復が遅い。

手術自体も小さな身体に負担が大きい為体力がしっかりあることが大事。
先生達の見解では、生後半年未満は手術に耐えられる身体がまだないので待てる状況であるならば、生後8ヶ月以上が手術の適応と考えている。

 

そして術後の予後を今まで行ってきた統計からするとみーくんは体重、月齢的にもクリアしていて、ご飯もしっかり食べれていて本人も元気がある今が手術をするのにベストな状態。

肝機能、肝硬変の進行を考えるとあと1年移植を待てるほどの猶予はないとのこと。


そしてもう一つ。

みーくんは門脈という肝臓に流れて行く静脈血管が狭く、もしかすると術後落ち着いた時に拡張させる必要があるとのこと。

 


これらの先生の話しも踏まえた上での夫の考えは、将来再移植が必要になる可能性が0じゃない以上、自分は血液型が異型である事を考えるとO型の私を将来の為に温存させていた方がいいと思ってるとのこと。

そして、私が今ドナーになると夫の職場が長期間休ませてくれないだろうからみーくんの世話や私のヘルプも協力者主戦力の私の実母任せになってしまう。

だけど夫がドナーになると物理的に仕事に出られない状態となる為休職とせざる得なくなり、かつ私が既に育休中だからそのまま育休延長で実母の協力も得て、2人でみーくんの看病が出来ると私1人の負担が減るということ。

 

これらの考えから夫は自分がドナーになるのが最善だと思っていると話した。

 

私はこんな真剣な話し合いの場には相応しくはないが、心底この人を選んで良かったと思った。

本当によく考えてくれていた。自分がなるつもり、とはずっと言ってた。

だけどここまで深いところや先の事も見据えて、そして根拠をもって考えていた。

 

 


葛西手術をやった時のことを思い出した。

私が初めてうんちの色が白い気がすると話したあの時から、この病気について自分でたくさん勉強してる事があの時会話しててよく分かった。

 


妻が医療従事者だと、普通の夫や家族なら判断も対応も任せがちになると思う。

だけど夫は、私に任せっきりにせずちゃんと自分で調べて自分で考えてわからないことや私の意見を聞いて自分の考えを話した上で私にも意見を求めてくれる。

 


2人で一緒にみーくんの身体や病気と向き合ってるって気持ちになれる。


将来的に移植が必要かもしれないとT病院の医師から話があった時から少しずつタバコも減らし今では完全に禁煙出来ている。

そんな夫が本当に頼もしいと思う。

 



 

だけどそこで立ちはだかる夫の体重問題。
若かりし頃の過ちで増やしてしまった体重。高校の頃お付き合いしていたけど、一度別れて20代になって再開した時に二度見をしてしまったほどだったその変わりよう。


それを引きずり今に至り、その結果最低でも1ヶ月で20kgは落とさないといけないという絶望的状況。

80%私がドナーになるんだろうから健康に気をつけて過ごそうと誓った。

 
だけど夫は1ヶ月減量を頑張るという強い意志を持っていたのでひとまずサポートする事に決めた。